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#02 全身持久力をテーマと...

#02 全身持久力をテーマとした日本発の著名論文!

公開 2026.3.3

更新 2026.3.3

「疲れやすさ」に関わる全身持久力は、心疾患や脳疾患、代謝疾患や肝疾患、がんや精神障害など、様々な病気の発症に関与することが多くの研究で示されています。これらの研究では、全身持久力が低いと疾病発症リスクが高まることが示されているのですが、病気の発症だけでなく、中年期に全身持久力が低い人は、老年期の医療費が高くなることを示した研究もあります。また最近では、新型コロナ感染症による死亡にも全身持久力が関与することが報告されました。このように、全身持久力と病気との関連を示した研究結果は世界中から数多く報告されていますが、中でも“JAMA”という著名な研究誌に掲載された「Cardiorespiratory Fitness as a Quantitative Predictor of All-Cause Mortality and Cardiovascular Events in Healthy Men and Women(全身持久力は健康な男女における将来の死亡や心血管疾患発症の予測因子である)」と題された論文は、この分野の研究者の間では国際的に特に有名で、多くの論文で引用されています。この論文は、メタ解析という研究手法(一定の条件を満たす多数の論文の結果をまとめて解析し、結論を導く手法)を用いた筑波大学の研究チームによる日本発の成果です。論文では、全身持久力が1単位(1 MET)増加すると心疾患発症が15%軽減することや、心疾患の発症を予防するには、男性(50歳)で8 METs、女性(同)で6 METsの全身持久力が必要であることが示されました。全身持久力を1 MET増加するために必要な体力は、ランニングスピードを時速1 km増加させる体力に相当すると著者らは説明しています。

  • 執筆者

    松尾 知明

    Matsuo Tomoaki, Ph.D.

    博士(スポーツ医学)

    労働安全衛生総合研究所 人間工学研究グループ 過労死等防止調査研究センター 上席研究員

    研究キーワード

    身体的体力、精神的体力、全身持久力、身体活動、健康経営

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